ゼミナールについて(2012年度入ゼミ生向け)


最終更新 : 2011/12/06 16:31:38

ゼミナールについて(2012年度入ゼミ生向け)

注意事項:

 入ゼミを希望される方は、「指導教員届」の提出に先立って、2012年1月9日(月)正午までに、メールで連絡して下さい。受け入れ可能な方には、1月10日(火)までにメールをさし上げますので、その上で、指定の期日までに「指導教員届」を提出して下さい。

 なお「指導教員届」のE-mail記入欄には、携帯のメールアドレスだけではなく、パソコンのメールアドレス(大学のもののほか、もしあれば自宅用のものも)を記載して下さい。また、緊急連絡先(実家)の電話番号は、加入回線の番号を記載するようにして下さい。

 

1:研究室の概要

 妹尾研究室は、経済学の研究室です。

 授業でも申し上げていることですが、一口に「経済学」と言っても、分野は多岐にわたっており、大きく分けても理論・歴史・応用という三つの領域があります。

 「理論」とは、経済理論のことで、ミクロ経済学やマクロ経済学、マルクス経済学などがこれに該当します。「歴史」とは、経済史のことで、西洋経済史、東洋経済史、日本経済史などが該当します。「応用」には、財政学、金融論、国際経済学、労働経済学、環境経済学、開発経済学、社会政策論・・・etc.といった分野が含まれます。これらは通常、すべて別々の研究者によって研究・教育されています。経済学にはきわめて多様な分野と、複数の方法論があることを、知っておいて欲しいと思います。

 妹尾は、発展途上国(開発途上国)が抱えている諸問題(例えば、貧困や内戦など)を、世界経済・世界政治の構造と関連づけながら検討することを、現在の主たる課題としています。したがって、「応用」の一部である「国際経済学」と「開発経済学」を専門としています。ただし、研究対象との関連上、国際関係論(国際政治学)や平和学などとも接点がありますし、(経済学に限定される)「開発経済学」よりも(経済学に限定されない)「開発学」という呼称を好んでいます。『学際的にやっています』と言えば、わかってもらえるでしょうか?

 

2:ゼミの紹介 & 入ゼミにあたっての基本的なお願い

(1)教員の専門は上記のとおりですから、ゼミでは、広い意味での国際経済・開発経済に関する文献を輪読します。また国際経済・開発経済に関するテーマで卒論を書きたい方については、大いに歓迎します。国際関係論(国際政治学)および平和学に関するテーマで卒論を書くことも、原則として可とします。

 例年、前期は国際経済・開発経済に関連したテキストの輪読、後期はゼミ生の個別報告(4年生は卒論中間報告、2〜3年生は卒論のテーマ探し)というスタイルでゼミを行なっています。過去の輪読テキストは以下の通りで、貧困、食料・農業、中国、貿易、アフリカなどに関するテキストをこれまで読んできたことになります。

2011年度:舩田クラーセンさやか編『アフリカ学入門:ポップカルチャーから政治経済まで』明石書店

2010年度:丸川知雄『「中国なし」で生活できるか:貿易から読み解く日中関係の真実』PHP研究所

2009年度:ジェレミー・シーブルック『世界の貧困』青土社

2008年度:大塚茂・松原豊彦編『現代の食とアグリビジネス』有斐閣

2007年度:丸川知雄『現代中国の産業』中公新書、ほか

(2)2011年度のゼミは、4年生3名(うち他ゼミからの掛け持ち1名)、3年生2名の合計5名で構成されています(男性2名、女性3名)。

(3)入ゼミにあたっては、「国際経済学」の単位を必ず取得しておいて下さい。また、「経済原論I」、「経済原論II」、「社会科教材研究V」などの妹尾担当の他科目についても、単位を取得済であるか、ゼミと平行して受講することを勧めます。

(4)入ゼミにあたっては、2年次前期までに最低60単位以上取得していることを必須条件とします(病気療養等、特別の事情があると認められる場合を除く)。

(5)3年次4月からの正規のゼミ開始に先立って、2年次の春休みから、課題に取り組んでもらいます。具体的には、2つあります。

 ひとつは、課題図書の読破およびレポートの執筆です。これは、春休みの間に本(たぶん新書)を1冊読み、レポートを書いてもらうものです。

 もうひとつは、2年次の春休みから3年次の後期終了までの1年間にわたって、新聞の切り抜きを毎週行なってもらうことです。これは、授業期間中に毎週提出してもらいます。

 新聞読むことは、教員採用試験や就職活動、卒論などにも大いに役立ちます。また大学時代は、新聞を読むクセをつける、おそらく最後の機会ではないかと思います。まっとうな社会人になるためにも、新聞を読むクセをつけてもらいます。当然ながら、自宅生・下宿生とを問わず、新聞(全国紙)を定期購読してもらいます。

(6)2011年度より、ゼミは水曜日の5時間目に行なっています。ただし、90分では終わらず、若干延長することが多いです。また、ゼミの後に、卒論の相談・指導や、コンパを行なうこともあります。したがって、水曜日については、アルバイト等の予定を入れないようにして下さい。

(7)ゼミの一環として、夏休みに、日帰りで、経済施設(工場等)を見学する予定でいます。これは、ゼミ生に企画・立案をしてもらいます。当然ながら、ゼミ生は参加必須とします。過去の見学先は以下の通りです。日程については、貴重な夏休みの妨げにならないように配慮するつもりです。

2011年度:造幣局(東京)  見学模様

2010年度:日本銀行本店  見学模様

2009年度:新日本製鐵君津製鉄所  見学模様

  4年生には、例年、夏休みの途中に大学に来て、卒論の中間報告をしてもらっています。したがって、8月下旬〜9月上旬に長期間の私的な旅行(留学等を除く)や自動車免許取得合宿などのスケジュールを入れないようにしておいて下さい。具体的な日程については、その時々のゼミ生と相談して決めています。

自動車免許は、できれば3年生になる前に(遅くとも3年生の夏休み中には)取得しておくことを、強く推奨します。3年生の秋以降は、教員採用試験、就職活動、副専攻の教育実習、卒論執筆などに時間を取られるからです。3年の春休みや4年の夏休みに免許を取得しようとすることは、ゼミでの勉学に差し支えますので、控えてください。

(8)毎年度、ゼミ生の名簿を作成しています。自宅および実家の住所・電話番号などを掲載した名簿を、ゼミ生の間で共有します。

(9)携帯ではなく、パソコンでメールをやり取りできることが、入ゼミの必須資格です。普段から極力、携帯ではなくパソコンでメールするように心がけてください。

 そもそも、インターネット上の豊穣なリソースを十分に使いこなすことは、携帯ではできません。また、パソコンとインターネットを使いこなすことは、もはや現代人としての必須要件になっています。

 たとえば、統計データを集めようと思えば、一昔前には、随分な手間と時間を要しました。すなわち、図書館に足を運び、必要としている統計がどの資料に載っているかを調べ、その資料を探し出し、必要な箇所をコピーして、それを家に持ち帰る・・・、といった手間がかかりました。必要としている資料が身近な図書館に所蔵されていない場合も多く、こういう場合は、他大学の図書館などに出かけて、コピーを取ってこなくてはなりません。統計集のコピーをとるだけで、数日以上かかる場合も少なくありませんでした。こうやって苦労して入手したデータを、エクセルに入力した上で、グラフや表を作成しようと思ったら、じつはコピーしてきた資料だけでは不足があり、また図書館に足を運びなおして、追加でコピーをして集めないとグラフや表が作れない・・・ということも、日常茶飯事でした。

 それがいまではどうでしょう。Googleで検索すれば、エクセルになっているデータ(数十年分)を一瞬でダウンロードできるという時代になりました。インターネットで、人類の生産性は、飛躍的に向上しています。こういう時代に、インターネットが苦手だとか、検索が上手にできず求めているデータにアクセスできないのでは、はっきり言って将来が思いやられます。時間のある大学生のうちに、パソコンとインターネットを使い倒して、スキルの十分な向上に務めて下さい。

 企業の人事担当者を対象としたある調査によると、「新卒者が身に付けていて当然と考える最低限のスキルや資格は何か?」という問いに対して、1番多かった答えが「Officeなどを活用したドキュメント作成スキル」、次いで「ITを活用した情報収集スキル」、3番目が「問題解決方法や事業を考える企画スキル」だったそうです

 なおメールアドレスを変更した場合に、そのことを教員やゼミの仲間に連絡するというのも、基本的なマナーの一つです。

 以上についてあらかじめ同意できない人、遵守できない人の入ゼミは、ご遠慮いただきます。

 

3:大学におけるゼミの意義:ゼミというのは何をするところなのか

 大学というところは、決まりきった知識を授けてもらうところでは、ありません。換言すると、高校までの「受信型」ではなく、「発信型」の勉学こそが、大学の基本です。

 自分でテーマを設定し、それについて主体的に学んでいく。その途中の段階で、仲間と幾度も議論しながら、考えをより深めていく。この「自らが関心をもつテーマについての研究」を行ない、最終的には卒業論文として纏めていくのが、ゼミという場です。したがって、ゼミこそが、大学(特に文科系の)における勉学の中心的な場ですし、自らが関心をもつ研究テーマを持って(抱えて)ゼミに入る、というのが理想です。

 ただ教育学部では、「教員免許に必要な単位を取るためのお勉強」をやる人は多いのですが、「自らが関心をもつテーマについての研究」に積極的に取り組もうとする人が、低学年ではあまり多くないようです。残念ですが、これが現実です。

 ですから、全員に「自らが関心をもつ研究テーマを持って(抱えて)ゼミに入る」ところまでは、要求しません。ただし、3年次のうちに卒論のテーマを決めてもらいます。「3年次のうちに」というのは比較的早いかもしれませんが、これは次のような理由によるものです。

 自分が取り組むべき卒論のテーマを決めるのは、さほど簡単ではありません。そもそも、学部生のうちは、世の中にどのような問題やテーマがあるのかさえよく知らない、というのが実情だと思います。

 そうしたなかで、授業で扱われた事項や、報道などを手がかりにして、卒論のテーマを決めたとしても、「目移り」したり、行き詰ったり、これで良いのかと悩んだりすることも多いものです。途中でテーマを変えたくなることもあるでしょうし、実際に変えてしまうことも、あるかもしれません。

 このような試行錯誤は、誰もが、多かれ少なかれ経験するものです。また、こうした試行錯誤は有益です。ただし、この試行錯誤には、それ相応の時間を要します。他方で、卒論の締め切りは決まっていますから、4年生の後期になってなお試行錯誤している、というわけにもいきません。となると、良い卒論を書くためには、3年生のうちから試行錯誤を繰り返しておく必要があります。

 このように考えると、よい卒論を書くためのテーマを決めるための時間は、じつは、もうそれほど多くは残されていません。「自らが関心をもつテーマ」を暖めてこなかった人は、ゼミに入ったら、アンテナを高く張って、試行錯誤をしながらのテーマ探しに注力していく必要があります。

 テーマを探すための、また広く情報収集一般に役に立つメディアについて、述べておきます。

《新聞》 必ず読んでください。記事から学べるのは当然として、広告からも、自らの卒論のテーマに関連した書籍を見つけることができるはずです。著名な学者の見解に接したり、研究上の論点などについて知ることができる場合もあります。

《テレビ》 ほとんどのテレビ番組、特に地上波のバラエティ、ドラマなどは、時間の無駄だと思います。

例外的に推奨できるもの:地上波では、日々のニュース番組として「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)、特集ものとして「クローズアップ現代」(NHK)、「NHKスペシャル」(NHK)、「ガイアの夜明け」(テレビ東京)など。ハイクオリティの番組が多い衛星放送では、日々のニュース番組として「ワールドwaveTonight」(NHK・BS1)、特集ものとして「世界のドキュメンタリー」(NHK・BS1)を推奨できます。

 いずれにしても、テレビはうっかりすると、ダラダラ見てしまいがちですので、「これぞ」というものだけを、録画して見るのが良いと思います。

《雑誌》 経済を扱った一般向けの雑誌として、『週刊ダイヤモンド』、『週刊エコノミスト』、『週刊東洋経済』、『日経ビジネス』などがあります。いずれも書店で入手できます(『日経ビジネス』は、大型書店中心)。

 これらは、大学の図書館にも所蔵されています。毎週定期購読する必要は必ずしもありません。新聞を読んでいれば、これらの広告を目にするはずです。電車にも吊り広告があります。こうした広告をみて、興味をそそられる特集や記事があれば、そのときに図書館で読めば良いと思います。なお、記事の一部はWebで読めますが、すべての記事がWebで読めるわけではない筈です。

 また、経済を学ぶ学生向けの雑誌として、『経済セミナー』というものもあります。

 次に、一般的な総合雑誌として『文藝春秋』、『世界』、『VOICE』、『中央公論』なども、大いに参考になるでしょう。会員向け情報誌の『選択』、『FACTA』なども有用です。これらもすべて、新聞に広告が出ていますから、関心のある記事があれば、書店で購入するなり大学の図書館で読むなりすれば良いでしょう。

《ネットメディア》 ビデオニュース・ドット・コムを、推奨します。地上波のテレビの報道の多くが、薄っぺら極まりないということに、一刻も早く気づいてください。

《データベース》 過去の新聞記事などは、千葉大の図書館にあるデータベースで検索することができます。特に『日経全文記事データベース』は利用価値が高いと思います。

 日頃からアンテナを張ってニュースをチェックしてください。「虫の目」「鳥の目」「魚の目」という三つの目を使い分けながら、世の中の動きを追うことが大事です。そして何よりも、ゼミ以外の場で、日常的によく本を読むことを通じて、自分が「おもしろい」と思えることを1日でも早く見つけて、仲間と議論しながら、自身の研究を深めていってください。

 どのような学問分野であっても、ゼミでの勉学を通じて、情報収集力、分析力、批判力、説明力、コミュニケーション力、観察力、計画力、実行力などが身につきます。これらは、いずれも社会で生きていく上で必要不可欠な力です。上記の企業の人事担当者を対象とした調査でも、新卒者に求めたい能力・特性として、「対人コミュニケーション力」、「チャレンジ精神」、「主体性」が挙げられています。妹尾は、ゼミ生がこうした力を身につけて卒業できるよう、お手伝いをいたします。

 

4:卒業論文およびゼミ論文について

 各人が強く関心を惹かれる社会科学上のテーマを選び、主体的に研究を深めて、卒論を完成させて欲しいと思っています(ただし、経済教育などの、教育実践・教育方法に関するテーマは、認めません。また学部学生の卒論のテーマとして明らかに難がある場合は、適宜お伝えします)。教員から、卒論のテーマを一方的に押し付けることは、しません。

 ただし、このように自主性を尊ぶ教員の指導スタイルには、合う人と合わない人とがいます。自分でテーマを見つけられない人、逐一細かく指導されないと困る(前に進めない)という人は、合わない可能性が高い。教員の専門のほかに、教員の指導スタイルと自分のタイプとの相性も考えてみて下さい。

 なお、スムーズな卒論作成のために、3年次からゼミ論文(4000字程度)を書いてもらう予定です(3年次の2月下旬に提出)。もちろん、テーマの選択・設定の相談には、随時応じます。

【過去の卒論テーマ】(カッコ内は順に、性別および進路)

2011年3月卒:「今後の日本の高等教育費制度のあるべき姿:オーストラリアの制度から日本の進むべき道を探る」 (女性、団体職員)

2011年3月卒:「転換期を迎えた日本ODAの在り方に関する考察:アフリカにおける『人間の安全保障』の観点から」 (男性、中学校教員)

2011年3月卒:「日本の『労働者間の公平性』の確立:オランダの政策を参考に『格差』是正を図る」 (男性、中学校(臨時)教員)

2010年3月卒:「サブプライム問題から考える今後の金融市場のあり方」 (男性、小学校教員)

2009年3月卒:「危険といわれる中国産食品の実態:大手食品企業の取り組みから」 (男性、民間企業)

 

5:その他

 いたずらにハードなゼミではありませんが、楽勝ゼミでもないと思います。「決してラクなゼミではなかったけれど、このゼミで勉強して、よかった」と卒業後にふりかえることのできるゼミを目指しています。知識量の多寡は問いませんが、やる気のある方を求めます。「あまり勉強したくない」という方には、向かないゼミです。

 「生意気」な学生を歓迎します。ここで「生意気」というのは、マスコミや、知識人の言うことを鵜呑みにするのではなく、立ち止まって自分の頭でしっかり考えてみようという批判精神を持っていることです(授業中にトランプをやって、教員に怒られているとかいうのは、「生意気」でもなんでもなく、単に「大学生以前」なだけです)。

 ゼミ生の主体性に期待しています。教員そっちのけでゼミ生が主体的に学習していく、そんなゼミが理想です(なかなか現実化しませんが・・・)。

 ゼミは、一生の交友関係を築く上での基礎となる場所です。積極的にゼミに参加し、仲間と交流し、ゼミの場を盛り上げていって下さい。コンパは年に3回ぐらいはやっています。

 

 


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